Tribology とは
Tribology(トライボロジー)は次のように定義されます.
たいへん難解な文章ですが,平たく言えば「摩擦・摩耗・潤滑などに関する問題を総合的に扱う学問と技術」…といったところでしょうか.
さまざまな機械部品から我々の日常用品にいたるまで,ありとあらゆるところで物と物とが擦れ合っています. 擦れ合うときに滑りやすい組合せとそうでない組合せがあり,中学で習った「摩擦係数」は「物と物とが擦れ合うときの滑りにくさ」を数値で表したものです.
スキーやスケート,あるいはワックスの効いた床を溝のすり減った靴で歩くときなど,我々は「滑る」ということを体感します. また,襖(ふすま)の滑りが悪いときにロウを塗ったり,動きの悪くなった機械部品に油を差したりして,意図的に「滑らせる」ことをします. このようなことをしたとき,あなたは既に「トライボロジー」を経験または実践していると言えるでしょう.
では,なぜトライボロジーを研究するのでしょうか? その答えはいくつもありますが,1つの例として「エネルギーの無駄遣いを減らしたい」という目的があります. 例えば,自動車の何千点という部品の中には「できるだけ滑りを良くしたい」ものがたくさんあります. これらの摩擦抵抗を限りなくゼロに近づくことができたら,はたして燃費はどのくらい良くなるのでしょうか? 残念ながら,実際に作られていないのでわかりません. しかし,今の倍以上になることは間違いないのではないでしょうか.
限りある資源を有効に利用し,また環境への負荷をできるだけ小さくすることは,21世紀にはますます必要な課題です. 我々はトライボロジーの研究を通じて社会への貢献を目指しています.
トライボロジーの関連書籍
トライボロジーに関する本を幾つか紹介します.